高次脳機能を司る大脳皮質は、発生期に神経細胞が移動することで厚みを増していく。この神経細胞の移動を制御する、細胞内機構はよく研究されている。しかし、細胞外マトリックスのような細胞外環境が神経細胞移動に関与するのか不明な点が多い。本研究では、発生期の大脳皮質に形成される細胞外マトリックス複合体の構成分子を明らかにし、遺伝学的および酵素的手法でこの複合体を分解することで神経細胞移動が阻害されることを見出した。この研究は、大脳皮質の発達における細胞外マトリックスの重要性を証明した研究である。
加齢に伴った認知機能の低下は大きな社会的問題である。老化によって細胞内にタンパク質凝集体が蓄積することで神経細胞の機能が阻害されると考えられている。最近、ペリニューロナルネット (PNN) と呼ばれる細胞外マトリックスが、記憶の維持に必要だと示されつつあるが、加齢に伴うPNNの変化は調べられていない。本研究では、老齢マウス脳には、ヒアルロン酸やアグリカンといったPNN成分の分解断片が蓄積することを報告した。本研究は、PNNの減少と、PNN分解物の蓄積が加齢に伴う脳機能の低下を引き起こす可能性が提示さした。
本研究では、2週間のビタミンC欠乏が脳の遺伝子発現に与える影響をRNA-Seq解析によって網羅的に調べた。ビタミンC欠乏によって発現が変動する遺伝子の多くは、核内グルココルチコイド受容体により発現制御を受ける遺伝子であることが、バイオインフォマティクス解析から示された。つまり、2週間のVC欠乏によりACTH非依存的に血中グルココルチコイド濃度が上昇し、その結果、下流遺伝子の発現が変動することが明らかとなった。過去の研究からVC欠乏による脳機能の低下には酸化ストレスが関与すると考えられていたが、本研究により脳の酸化ストレスだけでなく、グルココルチコイド応答の異常な活性化が脳機能低下に寄与する可能性が示唆された。
㈱ドクターウエルネス、旭陽化学工業㈱との共同研究でコラーゲンペプチドの機能解析を行った。研究成果の一部をファンクショナルフード学会で報告した。今期は、コラーゲン加水分解物を被験者に摂取していただき、安全性および皮膚への効果について検証を行った。その結果、安全性が担保でき、皮膚状態が改善する機能を確認した。
機能性食品の効果・効能を明らかにする目的で、動物モデルや細胞を用いて評価した。㈱TFYとの共同研究において抽出エキスの光老化改善効果を明らかにし、特許出願(特願2024-002098)した。また、三栄源エフ・エフ・アイ㈱との共同研究で光老化モデルの皮膚状態改善効果を示す機能性素材の探索を行った。未熟ミカン抽出物が皮膚細胞のヒアルロン酸合成促進効果を示すことを明らかにし、その効果はヘスペリジンによるものであり、この結果がCytotechnologyに採択された。
㈱ファンシーとの共同研究において変形性関節症モデルを用いて機能性素材を評価した。変形性関節症改善効果を示す候補物質を新たに見出し、学会発表を行った。
構成員
| 教授 | 野村 義宏(大学サイト内へリンク) |
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| 准教授 | 宮田 真路(大学サイト内へリンク)(独自HPへリンク) |
| 博士3年 |
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| 修士2年 |
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| 修士1年 |
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| 学部4年 |
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