経済産業省「環境対応革」事業に関連して、都立皮革技術センターおよび兵庫県工業試験所皮革指導所との共同研究を行い、皮革副産物利用に関する研究を行った。また、(株)ドクターウエルネス、旭陽化学工業(株)との共同研究でコラーゲンペプチドの機能解析を行った。研究成果の一部をファンクショナルフード学会で発表した。
機能性食品の効果・効能を明らかにする目的で、動物モデルや細胞を用いて評価した。(株)TFYとの共同研究において抽出エキスの光老化改善効果を明らかにした。また、三栄源エフ・エフ・アイ(株)との共同研究で光老化モデルの皮膚状態改善効果を示す機能性素材の探索を行った。
(株)ファンシーとの共同研究において変形性関節症モデルを用いて機能性素材を評価した。変形性関節症改善効果を示す候補物質を新たに見出した。
エーロスダンロス症候群の患者由来の細胞を用いて、産生するデコリンの特性解析を行い、その成果の一部を論文投稿し収載された。
特定の神経細胞周囲にはペリニューロナルネット (PNN) と呼ばれる特徴的な細胞外マトリクス構造が形成される。PNNはヒアルロン酸 (HA) とコンドロイチン硫酸プロテオグリカン (CSPG) の凝集体であり、神経可塑性の低下に関わる。HAはその分子サイズにより多彩な機能をもつため、組織サンプルから微量のHAを単離しその分子量を解析する手法を確立した。この方法を用いて、PNNを構成するHAは、可溶性のHAに比べて分子量が高いことが分かった。またHAを部分的に分解することでPNNの可溶性が上昇することが示された。
胎生期に神経幹細胞から神経細胞が生まれた後、脳表層へ向かって移動することで大脳皮質が形成される。細胞移動や接着に細胞外マトリクスが関与することは知られているが、大脳皮質形成における機能は不明である。本研究では、主要な細胞外マトリクス分子であるヒアルロン酸 (HA) に着目し、神経細胞移動における機能の解明を目指した。マウス胎仔期の大脳皮質の細胞外マトリクスを解析した結果、中間帯において、HA、ニューロカン (NCAN) 、テネイシンC (TNC) が共局在することが分かった。HAを分解することにより、NCANとTNCの集積が減少することから、HA、NCAN、TNCはin vivoにおいて三者複合体を形成することが示された。NCANとTNCを二重欠損したマウスでは、野生型マウスに比べて、神経細胞の移動が遅れており、胎仔期の大脳皮質において、細胞外マトリクス分子の複合体形成が神経細胞の移動に必要であることが示された。
本研究では、ヒトと同様にビタミンC合成酵素を欠損するODSラットを用い、2週間のビタミンC欠乏が脳の遺伝子発現に与える影響をRNA-Seq解析によって網羅的に調べた。ビタミンC欠乏によって発現が変動する遺伝子の多くは、核内グルココルチコイド受容体により発現制御を受ける遺伝子であることが、バイオインフォマティクス解析から示された。つまり、2週間のVC欠乏によりACTH非依存的に血中グルココルチコイド濃度が上昇し、その結果、下流遺伝子の発現が変動することが明らかとなった。過去の研究からVC欠乏による脳機能の低下には酸化ストレスが関与すると考えられていたが、本研究により脳の酸化ストレスだけでなく、グルココルチコイド応答の異常な活性化が脳機能低下に寄与する可能性が示唆された。
構成員
教授 | 野村 義宏(大学サイト内へリンク) |
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准教授 | 宮田 真路(大学サイト内へリンク)(独自HPへリンク) |
博士3年 |
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博士1年 |
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修士2年 |
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修士1年 |
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学部4年 |
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